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舞台・ライブ

朗読劇公演最終告知!公演せまる!

すでに色々なところで告知してまいりましたが、もうすぐ久しぶりの芝居公演があります!

Reading Play「朗読劇」です。僕はBチームの演出をしております!

チケット申し込みは上野本人までよろしくお願いいたします。ぜひご覧ください!

上野火山:メールアドレス

volcano.kazan@gmail.com

【公演詳細】

アクターズワークスユニットVoL2 リーディング公演 ~ワークインプログレスで作品を育てる試み~

リーディング公演「アフタープレイ」・IMG 8553

◆チケット料金:
「通常(1公演)…2500円」
「2公演通しチケット…4500円」
「3公演通しチケット…6500円」

◆会場:高円寺K’sスタジオ本館
〒166‐0011 東京都杉並区梅里1-22-22パラシオン高円寺B1-100号
アクセス https://koenjiksstudio.wixsite.com/mysite/blank

以下、詳細目次
〇「アフタープレイ」
〇お申込み方法
〇ワークインプログレスについて
〇感染対策について

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「アフタープレイ」

作/ブライアン・フリール  訳/家田淳

~あらすじ~

1920年前半のロシア、いえ、ソ連。

モスクワのさびれたカフェで、何の縁もなかったアンドレイとソーニャが、
何の縁だか出会って2晩もおしゃべりに花が咲く。
アンドレイもソーニャも、田舎の貴族だった。
二人とももう40~50代。人生の終盤に差し掛かっている。
その二人が、なぜ遠く離れた田舎から首都モスクワまでやって来たのか?

帝政ロシアから、戦争、革命を終えたソ連で、彼ら互いの人生を送り、
ここで二人は出会った!
彼らの残りの人生は運命の歯車が回り出す・・・かぁ????

人口比率がきれいに逆ピラミッドになっている日本。
100歳まで生きなくてはならない日本。
シニアの人生、老後について、われとわが身にしみる一作。
いやいや、ぜひ若者にも見て欲しい一作。

■演出
家田淳  上野火山

■出演
小川友子 丹聡 室園丈裕 柚木佑美

(あいうえお順) 各プロフィールは名前をクリックしてご覧ください。

※アフタープレイは、チェーホフ作「三人姉妹」の登場人物・アンドレイと、「ワーニャ伯父さん」の登場人物・ソーニャの20年後の出会いの物語。
演劇にご興味のある方は、この二冊もお読みになってご来場いただければさらにお楽しみいただけると思います。

◆日程: 2021年 11月11日~13日  全8回
11/ 11 (木)  12:00 若手 15:00 A  19:00 B
  12(金)        15:00 B  19:00 A
  13(土)  12:00 A   15:00 B  19:00 若手 

チームA 演出:家田淳  出演:丹聡 小川友子 
チームB 演出:上野火山  出演:室園丈裕 柚木佑美

※会場は各20分前です。入場をお待ちいただくロビーなどがございません。お時間を計ってご来場ください。
※上演時間 約1時間20分。 プレトーク・アフタートーク会(自由参加)含め 1時間40分を予定しております。

※チケット料金のお支払いについて
今回、小規模のスタジオ公演であるため、チケット予約サイトを使うなどしてのあらかじめの入金をお願いしておりません。全て当日、現金にてのお支払いをお願い致します。
また、当日、体調不良の方は、早めに上記メルアドにご連絡いただけますようお願い申し上げます。
新型コロナ感染症が完全に収束してはいないため、キャンセル料などは考えておりません。

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ワークインプログレスって何?
~ワークインプログレスで作品を育てる試み~

今回は、ワークインプログレスという公演です。

ワークインプログレスとは、「制作作業中」という意味で、お客様のご意見をたくさんいただいて、作品を良いものにしていく・・・という趣旨の企画です。

その方法が、アフタートーク交流会です。

簡単に言うと、終演後どこかの飲み屋で一杯やりながら「いや~、よかったよ・・・」とかの、アレです。アレをみんなでやりたい!ということなのです。
知り合いの出演者も後で合流したりして・・・。そしたら、「いや~、よかったよ」の後、ビールが2~3杯進むと、「でもサ・・・」と本音が出てきたり・・・。
ソレです!ソレ!
ソレをしっかりお伝えいただきたい!

そんな気持ちでこの時間を企画しました。
その考えは、作品をお客様と一緒に育てていきたい・・・といい思いからです。
役者や演出家は作品を作る、お客様はそれを見る。
その両者を繋ぐものは?
たまたま知り合いがいた飲み屋、昔ながらのアンケート、SNSでのコメント・・・
どうしても一方通行だったり、ゆっくり話のは公演が終わった後だったり・・・

ワークインプログレスの発祥は欧米です。欧米ではまず、小規模のスタジオ公演などを行い、その後、お客様と交流会を行って、そこで作品について忌憚のない意見交換をする。どうだったか、どこが面白かったか、面白くなかったか、を話し合い、演出、俳優がそれを受け止めて、また稽古し、次回の小規模公演や地方公演にのぞみ、だんだんとオンシアターに向かっていく・・・ということを行っているそうです。

「作品」をお客様と一緒に育てていく・・・そんな環境があるそうです。

日本では多くの公演が、お客様の意見は一方通行で、さらに多くの芝居は一回やっておしまい。劇団というものが多くあるけれど、どっかというと自分たちが「やりたい」ものをやっていることで終わりになっていないか・・・

せっかく小規模のスタジオ公演です。
ぜひ、お客様にご意見をいただき、お客様にも作品作りにご参加いただきたいと思い、この試みを企画いたしました。

実はアクターズワークスの以前の公演でもアフター飲み会をやっておりました。
コロナ禍でなければ、以前のようにテーブルを出し、皆さんとビールやおつまみくらいはご一緒しながら、これをやりたいのですが・・・。

「いや、自分が意見とか・・・言えないよ」「恥ずかしい」と思われているかもしれませんが、そこを一歩踏み出して!ぜひ、私たちに感じたことを届けてください。
また、高尚なことではなくても、裏話とか・・・聞きたいことがあれば、どうぞ度遠慮なく!

少しでも「芝居って面白い!!!」「また見たい!!!」と思っていただきたい!
と思っています。

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~感染対策~

〇公演のたびに座席など消毒を徹底しております。
〇高円寺K’sスタジオ本館は地下ですが、24時間換気されております。この換気の勢いは大変強く、約10分で室温が明らかに変化する強度です。状況によって入り口を10㎝ほどあけたままで開演することもあります。
〇二酸化炭素測定器を用意して常に管理しております。
〇従来の50席のキャパを約半分に減らして開催いたします。
〇換気口は天井にあります。サーキュレーターを適切に使用いたします。

※換気のため暖房が効きにくくなっております。暖かい服装でお越しください。
※スタジオは土足厳禁となっております。スリッパをこちらでご用意しておりますが、時節柄お気になさる方はご持参くださるようお願いいたします。

お客様へのお願い
手の消毒、マスクの着用での観劇をお願いいたします。
体調のすぐれないお客さま、37.5度以上のお客さまはご観劇をご遠慮ください。

あらかじめ、お客様の お名前 電話番号 メールアドレスをご提出をおねがいしております。
そうでないお客様は、受付にてご記入をお願いいたします。
観劇以降2週間以内に、お客様に感染が確認された場合、すみやかにアクターズワークスにご連絡くださるようお願いいたします。そのような場合、同時刻に観劇されていたお客様にはすみやかにご連絡させていただきます。
いただいた個人情報は上記の目的以外に利用することはございません。

僭越ではございますが、上記の感染対策にご協力いただけない場合、入場をお断りすることがございます。ご協力よろしくお願いいたします。


西荻窪 登亭 あれから43年

『西荻窪 登亭 あれから43年』

旧ブログでも、もう十年以上前に書いたことのある、かつて西荻窪にあった洋食屋「登亭」について書きます。

ブログを一新したこともあり、このお店のことはまず語っておきたいと思います。

西荻窪・洋食屋「登亭」2006年12月16日閉店

西荻窪・洋食屋「登亭」2006年12月16日閉店

もう閉店して、かれこれ十三年も経ちますから、だいぶ昔の話になります。西荻窪に40年間あって腹をすかした若者たちの胃袋を支えてくれたのが、この「登亭」でした。

僕はこの店に十八歳から二年間お世話になりました。一週間に六日通いたいのだけれど、何しろお金のない貧乏浪人生の僕は、アパートの先輩に連れられて、一日おきに通っていました。それでもまったくお金がなくなると二三日絶食なんてこともありましたが。

ともかくも、この店ほど、腹をすかせた若かった僕をなんとか生き抜かせてくれた店は他にありません。

そんないつもお腹をすかせひもじい思いをしていた時、夢にまで見たのが、登亭の「トン定」こと「トンカツ定食」でした。銀座のお店で修行したオヤジさん手作りの独特のデミソースのかかったトンカツはほんとに美味かった。差し出される味噌汁には必ず親指が突っ込まれていたのも懐かしい。

ネット上の記事の多くが、ミックスフライに言及されておりますが、僕にとっての登亭の原点はトン定かチキン南蛮でしたね。いつも貧乏学生の列に並んで、順番に店のカウンターで食べてたな。

登亭のオヤジさん「のぼるさん」

登亭のオヤジさん「のぼるさん」

オヤジさんはノボルさんと仰る方で、大の巨人ファン。僕が通っていた頃はラジオで巨人の試合の実況がいつも流れていました。

「あんたナニふぁん?」とオヤジさん。

「え?えと、えと、ジャイアン、ト、馬場???」

「この野郎、帰れ!ここはジャイアンツ以外は出入り禁止だ!あ!馬場って元ジャンアンツか?許してやるよ」

そして、オヤジさんはチキン南蛮を一切れおまけしてくれました。

登亭の店内カウンター席

登亭の店内カウンター席

僕が上京してはじめて西荻窪に移り住んだのも偶然でしたが、アパートの先輩に連れられて登亭に行ったときの衝撃は今も忘れられません。

脂ぎったL字のカウンター席。営業中は基本開けっ放しのガラス戸。外には見るからにお金のなさそうな髪の長い学生が列を作って待っている。みんな無言。

どんなに苦しくても、どんなに寂しくても、登亭のカウンターに座るとホッとして体が暖かくなりました。オヤジさんがガハガハ笑いながら素手でカツを揚げていました。みんな黙々と飯を食う。店の中には油煙や蒸気が溢れ、家族から一人離れ、その日暮らすお金に困りながら大学をめざしていた僕は大いに慰められました。

思い出すだけで、登亭の日々は、まさに貧しかったけれど青春の日々でした。

1976年はそんな時代でした。

擦り切れたGパンと下駄。銭湯と登亭。西荻ロフトで森田童子を聴き、西荻セントラルで映画を見る。部屋の中でギターを抱きしめて勉強していたあの頃。

シャーウッド・アンダーソンを読み、ワインズバーグの青年は自分だな、なんて思いながら、長距離走者の孤独を読んで、この怒りは俺と同じだ、なんて思いながら、一日一日を必死で生きていたような気がします。隣の家からカレーライスの美味しそうな香りが窓辺にしてきたとき、僕は田舎の家族のことを思い出しながら、登亭の店先に佇んでいたのを覚えています。

思春期を過ぎて、青春期にさしかかり、僕は「孤独のレッスン」をしていたのだと思います。

芝居と出会う前、僕を支えてくれたのは確かに「登亭」でした。

結婚した頃、妻を連れて、登亭を訪ねたことがります。もう忘れてるかな、と思いましたが、オヤジさんはにっこり笑って、覚えていてくれました。

もう遠く過ぎ去った日々ですが、あの頃の貧しさやひもじさがあったから、今があると思えます。今の時代の邪悪な貧しさとは質が大きく異なりますが、僕にとってあれは必要な経験でした。

ノボルさん。

今もお元気でいらっしゃいますか?

僕は少しは成長できたでしょうか?

あなたのトンカツのおかげでここまで生きてこられました。

ありがとうございました。

登亭のトン定を愛した元長髪のGパン野郎より

 

下の動画はkameal hiroshiという方の「登亭」のYouTube動画です。感謝!!

https://www.youtube.com/watch?v=b-sKl7Qt-vY